2018年の方丈記私記~建築家とアーティストによる四畳半の小宇宙~

動乱で鬱屈した時代「中世」、鴨長明は四畳半(方丈)の庵に移り住み『方丈記』のなかで小さな場所から動乱世を見つめました。江戸の封建制度の限界が近づく中、五合庵で喜捨に生きた良寛。
そして敗戦後、小説家・堀田善衛は「方丈記私記」を著し、旧来の価値観が根こそぎ崩れていく中で「方丈記」の生き方に倣おうとしました。社会の行く末が定かでない社会でも文化は生まれ、人びとはそこに生きるヒントを求めてきました。
世界中のあらゆる地域がグローバル金融資本主義の影響を受け、効率化・合理化・均質化といった価値観を要請され、美術や建築にも「均質空間」が展開していました。その見本単位である「四畳半」を逆手に取り、鴨長明が世の流れに翻弄されながらも自らの居場所を愛しつつ世風を把えていった姿勢に倣い、2018年の今、建築家やアーティストが日本の建築の最少モデル「方丈」を提案しそこに様々な機能を持たせ、自らの「方丈記私記」を表します。
また、本展は十日町中心市街地の活性化のための新しい提言でもあります。
“あってほしい、あったら楽しい機能”を持った「四畳半」を少しずつ街の空き店舗やお店の一部にはめ込み、ユニークな商店街へと変貌させるという構想です。「見えない都市=invisible City」のネットワークが、商店街にあらたな回遊性と賑わいを作り出すことを目指す「越後妻有方丈村百年構想」が始まります。